京極のクライアントの方や色々な人から「家の予算と大きさに関する質問」が増えてきたため、私が実際にアドバイスしてきた「予算と家の大きさをどうすれば両立できるか?」についてお伝えします。
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安く大きなマイホームを手にする方法とは?
子供部屋が安さのカギ
家は広く、大きいほうがいい。でも値段は少しでも安くしたい。
京極が直接お話しするクライアントの方だけでなく、一般の方からメールでも「何か上手い方法ってありませんか?」という質問をよくいただきます。
もちろん、あります。
こういった魔法のような方法って実際にあるんですね。
大手ハウスメーカーで設計士として打ち合わせをしていたときや建築事務所で工務店に見積もりを依頼するときなどに大枠で押さえているポイントが2つありました。
その方法についてご紹介したいと思います。
「あなたは新しいマイホームに子供部屋って本当に必要だと思いますか?」
京極は、クライアントの方にこう質問をすると大抵の人は
- 「子供部屋は絶対にいります。」
- 「子供に部屋がないなんて、そんなかわいそうなことできません。
- 「子供はいったいどこで勉強するんですか?」
子供部屋は、なくてはならないという意見がほとんどなんですね。
京極も、本当に子供部屋がいらないなんて思ってはいません。むしろ、なくてはならないとても大切な空間だとさえ感じています。
そして、大切にしているのは「 ある特別な理由 」があるからなんですね。
この理由を正しく理解することができれば、好きなだけ広い家にして、しかも値段を思い通りに安くすることが可能になります。
子供部屋が欲しいという人に話を聞くと
- 「できれば10帖くらいの部屋にしてあげたいですね。」
- 「8帖は必要だと思います。」
- 「ベッドと机、ソファーそれにタンスがお置ける広さ。あと趣味の道具が置けるくらいの広さが希望です。」
というように部屋の広さに関する話をする人が非常に多いことに気が付きます。
一方、京極が考える子供部屋はわずか4.5帖なんですね。
この大きさ以外は考えられないとも感じています。
4.5帖だけが持つメリット
先ほどもお伝えしましたが、たくさんの家族を見てきたからこそ子供部屋はなくてはならない大切な空間だと実感しています。
だからこそ4.5帖という広さだけがもつメリットをまずは知ってほしいと思います。
子供部屋って何のために使うのかを考えてみてください。
京極の経験則から言うと、子供部屋は広いほうがいいと答える人のほとんどは、
- 昔、自分には子供部屋がなかった。
- 兄弟とずっと一緒の部屋で過ごしていた。
- 家族全員が一部屋で寝ていた。
という体験をしているんですね。
要するに、「過去の自分が手にすることのできなかった広い子供部屋を用意してあげたいというやさしさ」が理由であることが非常に多い。
言い換えると、「子供部屋だけで一日中過ごせる広さを無意識に求めている」ことになります。こういう考え方をすると、子供部屋が2部屋あるだけで家の中にLDKが2つあるような広さの飽和状態におちいってしまうんですね。
子供部屋で大切なこととは?
プライベートと整理整頓
実をいうと子供部屋で大切なのは2つのことだけなんです。
この2つの点を満たしていれば4.5帖で悠々過ごすことができます。
それは、
- プライベートの確保
- 整理整頓を学ぶスペース
勘のいい方は、お気づきだと思いますが「勉強」が含まれていません。子供部屋と言えば、集中して勉強する部屋というのが一般的な常識。
京極はあえて、子供部屋で勉強はするなと大声でいいます。
なぜなら、一人で勉強することはリアルな環境ではありえないからです。
というのも、
- 学校で授業を受けるときはクラス全員で受けます。
- 受験というのは、大きな教室で受験生が何十人も一斉にはじめます。
- 会社は広い部屋に向かい合って机を並べながら仕事をします。
しかも、会社においては常に電話が鳴り、人の声がガヤガヤしている状態ですよね。
もし、自分の子供部屋で一日中過ごすことに慣れてしまうと学校でも、受験会場でも、さらには社会人になっても、その他大勢の人がいる環境そのものがストレスに感じて、本来の実力を発揮できない状況を作り出してしまうことに。
受験生に起こった一人勉強部屋の悲劇
こんなエピソードを聞いたことがありませんか?
いつも一人勉強部屋にこもって必死に勉強していた男子受験生。大学受験の際、いきなり「ガシャン」と大きな音が会場に鳴り響いたんです。それは隣の人が落としたペンケースから鉛筆やシャーペンがバラバラに散らばった音。急な出来事で受験生は頭が真っ白に。その騒音ですっかり自分のペースを乱してしまい、確実と言われた志望校に失敗したなんてケースも。
もしも彼が、普段からガヤガヤと大勢のいる場所になれていれば、ペンケースの音でペースを乱すこともなかったかもしれません。
一見すると子供部屋は集中できる良いスペース用に感じますが、学ぶ環境として焦点を当てると大きなデメリットを含んでいるんですね。
もちろん、いつも人の中にいろと言うわけではありません。
子供と言っても悩むこともあれば、一人で考えたい時間だってあります。こういったプライベートなスペースというのは心のバランスを整えるためにも重要となります。
そして、一時的にプライベートな時間を過ごすことが目的であれば10帖というのはむしろ広すぎて、4.5帖くらいのほうがちょうどいいわけです。さらに書斎やちょっと狭いスペースのほうが逆に心が落ち着いたりするものなんですね。
整理整頓
もうひとつ「整理整頓」を上げていましたよね。
これを学ぶために、かならず1帖か1.5帖ほどのクローゼットは外せません。
学校の制服や洋服はもちろん、趣味の物といったものを整理する。これは、学校で言う自分のロッカースペースの拡大版ともいえます。
自分専用のスペースだから、整理整頓を自然と身に着けることができます。
中には、
「寝ることを考えると狭すぎるのでは、、、」という意見もあります。
そんなとき” 横ではなく縦に部屋を広げる ”ことをお勧めします。
縦とは上に部屋を広くするということ。平面思考から立体思考へのシフトチェンジです。つまり、本来なら天井の部分を部屋の一部として賢く利用しようというわけです。
要するに、子供部屋にロフトを作ろうというお話です。
ロフトと聞くと高いのではと心配される方が多いのですが、実はそんなことはありません。
むしろ安いくらいなんですね。
子供部屋を横に広げてはいけないワケ
そして、一番やってはいけないのが子供部屋を広くしたいからと言って横に広げることなんです。
なぜなら、子供部屋を横に広げると、その下の部屋まで同じように広げなくてはならなくなるからなんです。
つまり、2階建ての家で子供部屋が上にある場合、一階部分まで不必要に広くしなければならず
1坪だけ子供部屋を増やそうと考えると、必然的に1・2階合わせて倍の2坪も家を大きくすることになります。
仮に1坪70万円だとすれば、横に広げるだけで70万円が倍の140万円に。もしも子供がふたりで子供部屋が2部屋があった場合、公平に1坪広げようと考えた場合、さらに倍の280万円になります。
ロフトを作るだけであれば、もともと在る天井裏のスペースを部屋として活用するわけですから、70万円で足りるというわけなんですね。
それに部屋の広さだけに注目してしまうと、楽しく幸せな住環境を見逃してしまいます。
だからこそ、「将来を見据えた子供部屋」という発想こそが環境とお金と幸せの絶妙なバランスを生み出すのです。本当に大切なことというのは、たった一つでたくさんの幸せを呼び込むものですから。
まとめ
あなたも「社会で実力を発揮できる子供部屋の使い方」を意識するだけで、快適な広さと家族みんなが満足度する質の高いマイホームを手にすることができるようになります。